「手、大きいね!」(音modachi)

音modachi

放課後児童クラブでは 毎年新1年生を歓迎する意味も込めて大きな壁面に桜の木を作る。
昨年は児童や支援員に協力をしてもらいダンボールに足形を取って、集めて、大きな木を作った。
嬉しいことに保護者の方も協力して下さり中には小さな弟や妹の足形も家で取って持って来てくれた。
支援員の大きな足形は根となり一番下を広く固め、お父さんやお母さんの足形も幹の下部分をしっかり支えてくれた。
そこからは児童の足形を自由に登らせた。
枝分かれさせた先には小さく可愛い足形が小枝となって飾られた。
こうして出来た桜の木は放課後児童クラブその物の姿だった。
地域の中で支援員が土台となり保護者の協力を得てこども達が自由に過ごす。
遊びという枝が別れてその先には小さな弟や妹がココに来ることを楽しみにしている。
こども達とワイワイ言いながら、足形を貼りながらそんなことを考えていた。

みんなで作った大きな木に、色紙を切り取った桜の花を飾る。
それはそれは大きな桜の木が出来た2023年春だった。

今年も桜を作った。
今年の桜はSDGs。
よくAmazonで注文したら箱の中にある空間を埋める雑紙。
たまりにたまったその紙を利用してクチャクチャにして大木を作った。
いい塩梅に茶色っぽいその紙とその皺は立派な幹と枝に化した。

今年は色紙で作った桜の花に1年生に向けた「放課後児童クラブの紹介」や「新年度の目標」を書いて貰った。

「おやつが美味しいよ!」というメッセージが多いことに日々の苦労が報われた。
2月、3月から1年生を迎える準備をし、春休みは一瞬で過ぎ去り、多くの新1年生を迎え怒涛の一ヶ月だった。

時間をかけて作った大きな桜も散る時を迎え葉桜の準備が始まった。
緑と黄緑の色紙に手を乗せて手形を取ってハサミでチョキチョキ。
可愛い葉っぱが出来上がる。
色紙いっぱいになる大きな手の持ち主がいるかと思えば細い華奢な手の持ち主もいる。
自分で手形を取れない児童(面倒だからも含む)の手形を取るのはとても楽しい。
手の置き方で性格も出る。
パッと大きく広げるタイプ、そっと指を揃えて置くタイプ。
前の子の真似をするタイプ。
この時、わたしはちゃっかりウクレレを弾く手を探していて内心ワクワクしている。
思わず「手、大きいね!」と声に出してしまう時もある。
そしてこう付け加える「ウクレレ弾いてみない?」
決して押し付けないようにそっと最後に添えるようにしている。

花が散り葉桜の立つ放課後児童クラブでは今日もウクレレの音が響いている。

天埜めぐみ

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