「その時が来た」(音modachi)

音modachi

そろそろ1年生が帰ってくる時間。
わたしの持ち場は工作コーナー。
5月に入り連休の中休み、緑と黄緑の色紙にこども達の手形を取りまだハサミで切り取られていない手形がカゴにたくさんあった。

こども達が帰ってくる前に少しだけでも手形を切っておこうと思っていたところに1年生が帰って来てしまった!

ここでひとつ、かねてからなぜかな?と思うことをひとつ。
私達支援員は、児童を迎える時は丁寧な言葉でしかも大きな声で「おかえりなさい」と声がけをする。
「ただいまー」とこたえてくれる児童が実は少ない。
考えられる理由はそれなりに有る。
放課後児童クラブは家では無いから。
まだ慣れていなくて恥ずかしいから。
心の中では言ってるから。
本当は来たくないけど仕方なく来てるだけだから。
なかには「うん」と言う児童もチラホラ。

「おかえりー」「ただいまー」が当たり前ではない放課後児童クラブ。
でも時とともに「ただいま」の前に「今日のおやつ何?」になったり、「先生聞いてー」となるのも放課後児童クラブ。
児童との信頼関係が如何程か?現れてくるのが挨拶のキャッチボールだと感じている。

さて、話を戻しますね。

工作コーナーで手形を切っていると 手形をまだ取っていない1年生男子が「何しとるん?」と寄って来た。

内心、チャンス到来!

「手形取らせてー」
「ほらほら、あの桜の木、お花が散って葉っぱが出てきたでしょ?」

そうゆー事ねーって感じで、色紙の上に手を置いてくれた。
彼の手は指がとても開いてしっかりしていた。
その手を見てワクワクしてしまった♪
そしてついに誘ってしまった!
「ウクレレ弾いてみる?」

その彼こそ、「おじいちゃんはギターが弾けるんだよー」と教えてくれた彼だった。

彼はその日はじめて放課後児童クラブのウクレレを手にした。

天埜めぐみ

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