覚えるコードは4つ
「おどるポンポコリン」を演奏するために覚えるコードは4つ。
C・G7・F・Am
その頃、ラジオ「おやすみ工房」でウクレレのコード譜を作っていたので、ついでに自作の素材で4つのコードのプリントを作った。
大きく印刷したので抑える指を丸の中に書いて分かりやすくした。
最初にそのプリントとウクレレを並べて弦の本数とフレットの位置と押さえる場所、そこを押さえる指が書いてあることを教えた。
やる気満々のこどもたち。
けれど、やる気と実際は反比例。
上手く弦を押さえられない。
大きな手だから上手というわけでもなく、華奢な細い指の持ち主は最初からしっかり弦を押さえ、CやAmは指1本なので難なくクリア。
指2本のFだっておちゃのこさいさい!G7は?流石に苦労したけれど直ぐに綺麗な和音を奏でるようになった。
わたしは最初の頃は弦が響くことなどなく、ポンポンと妙な音ばかり出していたのに。
弾きたいけれど、指に力が入ってしまい痛くて押さえられなくなる子もいたりする。
最近のこどもは優しい子が多く、順番に使うという場合、ほんの少し触っただけて直ぐに次の人に変わってあげる事が多い。
まだ何も体験出来ていないのに、次に、並んでいる子がいたら譲ってしまう。
並んで触ったということはウクレレに興味が有るということ。
わたしがもうひとりいたらもう少し触らせてあげたのに、とか、ウクレレが数本あればもっとみんなが触りたい時に触れたのになどと考えてしまう。
けれど、実際は放課後児童クラブという施設で支援員の数が決まっていて数十人という児童が過ごすスペースで楽器の体験をさせる事は中々難しいと感じた。
一支援員として、マンツーマンでの対応はしたくても出来ない。
わたしが1人にかかりきりになる時間、他のスタッフが本来私が見守らなくてはならない人数を負担することになるから。
そんな悩みを抱えながらも、こどもたちは「弾いてみたい」「ウクレレしていい?」と毎日言ってくれて少しづつ少しづつコードが響くようになっていった。
見ていて感じたことは、ピアノに興味のある子はウクレレにも興味が有るということ。
ウクレレ待ちの間にピアノを弾いたり、ピアノとウクレレの間を行ったり来たりしている。
放課後児童クラブでウクレレの音が毎日聴こえるようになった。
天埜めぐみ
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