音は友達
放課後児童クラブで毎日大勢のこどもたちと過ごす生活。
そんな中、ピアノで「ねこふんじゃった」を早弾きする子が多くて少々耳にタコが出来てしまった。
音楽が好きなわたしとしては放課後児童クラブにピアノがあるなんて贅沢だなぁと思う。
「ねこふんじゃった」ばかりじゃなくもっと違う曲も練習したらいいのに。
ふと昔覚えた「ねこふんじゃった」の連弾を思い出した。
そこで早弾きしている子に声をかけてゆっくり弾いてもらつた。
わたしがオクターブ上で連弾するとメロディを弾いている彼女もビックリしたようで何より周りにいた子供たちが集まって来た。
これがわたしの放課後児童クラブでの音楽デビューとなった。
あの日以来、放課後児童クラブのピアノはお友達と連弾するのが当たり前になっている。
もちろん、ピアノを習っている子はひとりで暗譜した曲を弾いていたりもする。
面白いのはここでピアノを弾けるようになった子は
「ねこふんじゃった」だけではなくいろいろな曲をメロディの子、伴奏の子というふうに練習していること。
そして発表会も定期的に出来ている。
面白いことにこどもは伴奏を弾きたがる。
そこでいいことを思いついた。
コードを教えよう!
ということで、選んだ作品は「おどるポンポコリン」
皆さんご存知のピーヒャラピーヒャラ♪
C F G7 Am
4つのコードを覚えると弾き語りが出来てしまう。
何より誰もが知っているということが参加者を増やした。
ピアノの長椅子にギュウギュウに詰めて3人の女子が座る。
端っこの子はお尻半分しか座れていない。
後ろから手を伸ばして左手でベース音、右手で和音を弾いて見せる。
わたしの顎の下の子が我先に真似る。
グイグイとコードの世界に入り込んで来る子がいるかと思うと、直ぐ傍で黙って一部始終を見ている子もいる。
遠慮しているのかと思い「弾いてみる?」と声を掛けるが首を振るばかり。
鍵盤に手を伸ばすタイミングが今じゃないのね、きっと。
メロディを覚える子、コードを覚えて器用に伴奏する子。
相棒を変えて違う作品に挑戦する子。
いつも傍で見ていた子は時折タンバリンで参加してくれるようになった。
そこには音楽が大好きなこどもたちが集まっていた。
ある日わたしは自分のウクレレを放課後児童クラブに持って行った。
天埜めぐみ
コメント