彼とはもう40年の付き合いをしている。
この「桜」を書いたenu-Gこと木村菜緒。
彼がまさかこんな曲を書くとは想像もしていなかった。
40年前、彼はブルース、ソウル、ジャズと言ったジャンルの壁の中で自分の好きな音楽はこれだと自信を持ってやっていた。
それも日本語の歌を否定していた頃もあった。
そんな彼がこの「桜」を。
これ、彼のお母様がお亡くなりになった春を約二十年経って描いた歌だ。
彼と出会って40年、彼も変わった。
そしてこの約40年、音楽を取り巻く環境も想像出来ないくらいに変わってしまった。
私、そしてこの「桜」を書いたenu-Gも戸惑うくらいに。
昔は一日かけてレコード屋を回り、音楽を手に入れた。
それが今、聴きたいと思えば月額1000円くらい払うと殆どの曲が聴ける。
苦労して手に入れた曲もいとも簡単に。
そして音楽の居場所も変わってしまった。
昔は棚にぎっしりレコードを並べ、それを見て満足していた。
それが今スマホの中に!
実際私のスマホの中には約5000曲以上入っている。
enu-Gのスマホには1万曲以上入っていると言う。
そしてそれをヘッドホンで一人で聴いている。
昔はこのレコードを手に入れたと友人に言うと家に集まってみんなで聴いた。
みんなで一緒に音楽を聴いた時代。
今はそんなことも少なくなってきているように思う。
音楽の居場所が変わってしまった。
これを私たち昭和生まれとしてはどうなんだろうと考えてしまう。
これを否定するのではなく、今は今の時代の良さ?いや、凄さは本当に楽しめる。
これを書いて素直に良いとは言えないことにも改めて気づいた。
そう、今は凄さの中に置かれている音楽。
このような時代に音楽の新たな居場所を作れないだろうか?
凄さを否定せず利用して。
こんなことを考えてコサエルアベニューを運営しています。
まだまだ至らないことは充分承知している。
そしてこの「桜」の居場所。
もっと素敵な居場所を作ってあげたいと思う。
春になればこの「桜」の咲く場所を。
戸倉
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